③
僕は、のどかな田園が広がり、駅も大型ショッピングセンターもない小さな田舎町で育った。
森山商店という、小さな駄菓子屋が僕の御用達だ。
僕(秋)の家は、散髪屋。自宅=床屋。
平家の一軒家で、道路沿いに床屋、床屋の横につながって自宅がある。
朝の9時から、赤・白・青の三色の縞模様のサインポールがクルクルと回転する、親父(貴男)がサインポールの電源を入れる、これが1日のはじまりだ。
僕は保育園までバス🚌に乗って行く。保育園は楽しくて、先生も優しくて、何不自由なかった。バスの中では、友達とあやとりをした。保育園では、鬼ごっこ等、毎日元気いっぱいに駆け回った。
唯一悔やまれるのは、芋掘りの時に、紅白帽子を忘れて、一人だけ通学帽子で記念写真を撮った事だ。
バスに乗って、家に帰ると、いつも家族がいる。
床屋なので、終日、365日、24時間、毎日、毎日、親父(貴男)、おかん(美花)が家にいる。これが、日常だった。
ごくごく、普通に卒園して、小学生になった。
〜続く
余談)
仲良く、あやとりをしていた友達は、僕とは校区外だったが、後に金髪のリーゼントのヤンキー中学生になっていた